前回の記事で、私が小学生時代にハマっていた『カードキャプターさくら』についてのお話をしました。

いろいろ調べて書いているうちに、なんだか久々にCLAMP作品を読み返したくなってきました(笑)
しかし、最近漫画というものをあまり読めていなかったこともあり、いきなり長編作品に手を出すのはちょっとハードルが高い…(ほかに積読の本もたくさんあるし)。
そんなことを考えいるうちに、同じく小学生のころに見た、とあるOVA作品のことを思い出しました。
その原作となっている作品がこちらの漫画、『不思議の国の美幸ちゃん』です。
『不思議の国の美幸ちゃん』とは?
『不思議の国の美幸ちゃん』は「NewType」にて1993年から1995年まで連載されていた漫画作品で、のちにOVA(オリジナルビデオアニメーション)化もされています。
Amazonの概要を見ると、
キュートでちょっとユルい女子高生・美幸ちゃんは、気がつくと異世界に入り込む特異体質の持ち主!? 7つの異世界を舞台に、大冒険します!!
「不思議の国の美幸ちゃん (角川コミックス・エース) 」Amazonページより
とだけ書かれています。なんのこっちゃ(笑)
タイトルからも察するとおり、表題作は『不思議の国のアリス』が題材となっています。
穴に落ちて不思議の国へトリップしてしまった美幸ちゃんは、やたらセクシーなチェシャ猫や女王様に迫られることに……
と全編似たような感じで、毎回異世界に引っ張りこまれては、「セクシーなお姉さん」たちにひたすら翻弄される美幸ちゃん。
てんやわんやしているうちに現実世界に戻ってくるけど…あれ?本当に夢?といったパターンで物語は展開します。
1話が10ページ前後で短く、かなり唐突かつ怒涛の展開(笑)
表題作以外にも、『鏡の国の美幸ちゃん』『バイトの国の美幸ちゃん』など、全7話が収録されています。
作品には女性キャラしか出てこず、百合要素やお色気要素が強い、どちらかというと男性向けっぽい作品。
あらゆるところに時代を感じはしますが、今見ても本当に作画が綺麗で迫力があり、これがアナログ原稿で描かれているのかと思うと、「すごい…!」の一言しか出てきません(語彙力なさすぎ)。
OVA『不思議の国の美幸ちゃん』の衝撃
先ほども書いたとおり、本作はけっこうお色気要素が強いコメディ作品です。
ただ、小学生のころの自分はそんなことを知るよしもなく、「さくらちゃんを描いた人の別の作品がアニメ化されている!」という理由で、親に頼んでレンタルビデオ店で借りてきてもらいました(ちょっと記憶が曖昧なのですが、確かTUTAYAにあった気がする…)。
実際に見て、親も「しまった…」と思ったことでしょう(笑)
アリスの女王様はほぼSMの女王様だし、露出度の高いお姉さまだらけだし、挙句の果てには脱衣麻雀ならぬ脱衣チェス…!(ちなみに漫画作品の中では脱衣麻雀の話も出てきます。好きなんか…?)
私もなんとなく、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになり、しばらく記憶を封印していました(笑)
その記憶の封印を、ひょんなきっかけで今回解いてみたわけです。
懐かしくて希少な漫画がすぐ読める、Kindleってなんて便利なんだろう!とあらためて感動しましたね(そこ?)。
ざっくり感想
・OVAになっているのが『不思議の国~』と『鏡の国~』だけだったので、ほかのストーリーは初めて見た。「また変なとろこで変な目にあうの!?」とか、お決まりの流れになりつつある美幸ちゃん(笑)
・『バイトの国~』『麻雀の国~』とかは、もはや元ネタ設定がある異世界でもなんでもないのでツッコミどころが多いんだけど、予想ができない分、意外性があって面白かった。
・バイト先の制服が、今はなき某有名ファミレス店っぽくてかわいい。
巻末のOVAの設定資料集にも出てくるが、作者が好きだったのかな(笑)
関係ないけど、学生アルバイトのことを「バイト生」って言い方するの、私はほとんど耳にしたことがないんだけど、当時はよく言っていたのだろうか(今も言ってたらすみません)。
・お色気アクシデントのたびに「お嫁にいけない!」が口癖になってる美幸ちゃんだけど、この表現も今はあんまり聞かなくなったな~と思った(笑)
最近の子だったら、「SNSで晒される!」とかの方が恐怖なのかもしれない。
・短いページ数に描きたい要素だけ突っ込んだみたいな怒涛の展開。
押し寄せる情報量の多さ、展開の早さ、お姉さま方の勢いで、短いストーリーなのにハイカロリーに感じる(笑)
親切な説明とかもあまりないので、元ネタがある作品は元ネタを知らないと何がなんだか分からないかも。
・とくに『Xの国~』はCLAMPの別作品『X』とのクロスオーバーなので、『X』を履修していない私にはキャラが分からず残念。CLAMP作品はクロスオーバー要素が多いとは聞いていたけど、各作品を知っていたらより楽しめるんだろうな。
・基本的にはギャグマンガだけど、戦闘シーンの迫力やファンタジー世界の表現力はさすがで、どのページを開いても見入ってしまう。
子どものころに漫画を読んで、「私も絵がうまくなりたい!」と感じていたときの純粋だった自分を思い出した…(もちろんこの漫画ではなかったが)。
こんな感じです。
サクっと一気読みできるボリューム感だし、難しいことを一切考えずに読めるのがいい作品です(笑)
おまけ:大人になった今読み返したいCLAMP作品

最後におまけとして、過去に読んだり印象に残っているCLAMP作品で、大人になった今読み返したい作品をいくつかご紹介してみます。
CLAMP作品全体を知っているわけではないのと、比較的古い作品が多いですが、気になる作品があればチェックしてみてくださいね!
わたしのすきなひと
なぜか実家にあった(親が購入したと思われる)、恋愛もののオムニバス作品。
紹介している作品のなかでは珍しく、ファンタジー要素のないリアルな恋愛が描かれています。
登場する女性主人公たちがリンクファッション(淡いピンクやコーラルのお洋服)で並んだ見開きページが大好きで、とても印象的でした。
カラーイラストはAmazonのサンプルページからも見られるのでぜひ!
大人の恋愛の話だったので、今あらためて読むと、当時とはまたちがった感想を持つんじゃないかと思います(オムニバスだし、近日中に読もう!)。
ANGELIC LAYER
前回の記事でもちらっと触れた、格闘系要素のつよい少年漫画。
絵柄的にも紹介している他作品とはちょっとちがう系統ですね(あまりCLAMP内の担当については分かりませんが、もこな先生作画と思われます)。
こちらは最初の方しか読めていないのですが、序盤の自分だけの「天使(エンジェル)」をデザインするシーンにものすごく影響を受けた気がします(今でもキャラメイクのあるゲームが大好き!)。
実はファンタジーより現実的な設定の方が好きなタイプなので、あくまで「おもちゃ」を操縦するというのが、「いつか実現できるのではないか」とわくわくする設定で好きでした。
Wish
地上に降りてきた天使と人間の切ない物語。
こちらも実家にあったので読んでいたのですが、なにしろずいぶん昔なので細かい部分は覚えていません…。
でも、幼いながらに美しい世界観に惹かれたのと、「愛ってすごい…」みたいなことを考えさせらた気がします(私が言うと浅い)。
二次元の双子キャラの良さを教わったのは、本作の瑠璃(るり)と破璃(はり)からだったのかもしれない…。
個人的には、初版の色数の少ないお洒落な表紙が好きでした!
こうして見ると、同じ作家でもかなりジャンルの幅が広いことにあらためて驚かされます。
『不思議の国の美幸ちゃん』に関しては、「CCさくらが好きだった」という方にオススメできる作品ではないかもしれませんが(笑)、90年代前半の漫画の雰囲気やCLAMP作品の美麗な絵が好きな方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。
普段はKindle端末を使っていますが、カラーイラストも美しいので、スマホやタブレットなどでも見てみてほしいです!
それでは、あでぃおす!ᐠ( ᐢ ᵕ ᐢ )ᐟ